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AAC2022一次審査結果発表

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7月14日に一次審査が行われ、最終審査に進む3点と、入選作品7点が決定いたしました。

   

応募総数:93点 
入賞:        3点一次審査通過
入選:        7点

最終審査は10月17日(月)に予定しております。

入賞

3点応募順

「サクラの柱」

袁 方洲

東京藝術大学大学院 美術研究科

工芸専攻陶芸(ガラス造形)研究分野 博士二年

素材:ガラス

入賞者コメント
昨年に引き続き、入賞者に選出していただき大変光栄です。
二度目のチャレンジですので、今度は最優秀賞を取れるよう全力で作品を完成させたいと思います。

「杜の黎明」

中居 瑞菜子

東京藝術大学大学院 美術研究科 工芸専攻 漆芸領域

素材:漆、麻布、金粉、螺鈿、乾漆粉、天然石

入賞者コメント
この度は名誉ある賞に選んでいただき、ありがとうございます。
この貴重な機会を楽しみ、納得のいく作品を作りたいと思います。マンションに住む方に愛されるフクロウを目指します。
 

「千種万花」

平尾 祐里菜

広島市立大学 芸術学研究科 造形計画研究 金属造形

素材:銅、銀
入賞者コメント
このたびは入賞者に選出して頂き、とても光栄に思っております。
ただひたすらに造り続け、今ここで自分を見つめ直しながら、自身の納得のいく形になるまで仕上げていきます。
 

入選

7点応募順

「Slow Down Time」

チーム名:VVチーム
(王 杰、隗 楠)

京都市立芸術大学大学院 博士課程 美術研究科 保存修復

審査員コメント
白と黒を基調にしたクールなエントランスに対して、赤と緑の鮮烈な色を持ってくることや、窓から見える緑を参照したモチーフ(草に横たわる人物)にすることなど、コンテクストをきちんと踏まえた上での制作で、ぜひ実際の空間で見てみたいと思わせるものでした(立体化+鏡面加工された漆と岩絵具の対比も魅力的!)。しかしそのモチーフが、なぜふたりの、いろいろな点が似通った女性でなければならないのかの説得力が足りなかったように思います。特に、漆の部分は、この場合、形としてというよりは、女性が着ている服として認識されることになると思われますが、服は、もっとも人の趣味が強く出るところです。いろんな趣味の人が集う場所で提示する今回のような場合には、もっとこれがこうでなければならない理由の検討が必要だったのではないかと思いました。(保坂 健二朗)

「シン・パンゲア」

岡 空来

東京大学 工学部 建築学科 3年

審査員コメント

「立体アート」のコンペに対して平面性の強いアイデアを出してくること。しかも、現下の国際情勢を視野に入れた社会的メッセージを含んだコンセプトであること。大変な意欲作で心惹かれました。しかし気になったのは、たとえば作品コンセプトに書かれていた「ビー玉アート」という言葉に見られるように、なにをもって人は眼の前のものに「アート」を感じるのかということに対して、少し楽観的すぎるのではないかと思えるところ。アクリル板に油絵具で色を塗る、球体のビー玉に旗(平面)を描く、それを転がして線を創出する、そういうアイデアを実際にしたらどのようになるのかという、必ずするべきスタディを、設置イメージにおいて提示してくれたら、どのようなクオリティで見せたいのかがわかり、もっと説得力が増したと思います。(保坂 健二朗)

「歩幅が合うとき」

鬼河 ひなた

広島市立大学 芸術学部 彫刻専攻 4年

審査員コメント
手と手が触れ合う様子で人の交流を表現した図像的な意を含む作品である。誰もが共感しやすいモチーフの選択は、エントランスという場に相応しい判断と言えるだろう。過去作に見られる作者の隠喩的センスは、「歩く手」のような不思議なイメージとして独特の世界観へ誘う。造形に厚みを持たせるような色の工夫も良い。しかし、レリーフかつシンプルな表現ゆえにおとなしくまとまりすぎてしまい、設置場所の特色を活かしきれていない点が気になった。
作者の個性を発揮した今後の活躍に期待したい。(大竹 利絵子)

「Little Forest」

中澤 瑞季

東京藝術大学大学院 博士後期課程 美術専攻
彫刻研究領域

審査員コメント
トーテムポールを思わせる、大小複数の人体が重ね合わされた柱状の木彫。それは私たちが木に対して持つ、超自然的な思いを投影するに十分な迫力を備えています。であればこそ、マンションのエントランスという場所性を鑑みたときに、「少し非日常が紛れ込む」だけではないインパクトを及ぼす予感があった。(岩渕 貞哉)

「I-land」

松本 千里

広島市立大学大学院 博士後期課程 3年 芸術学研究科
総合造形研究 染織造形

審査員コメント
絞り染めの糸で括ったかたちを立体の素材に用いるという発想が新鮮でした。糸には色があるとはいえ、白い布ということもあり、その造形力が肝となるかと思う。その点では、さらに追求する余地があったように感じた。今後、さまざまな試行錯誤をして、この素材・技法ならではの表現を突き詰めていってもらいたい。(岩渕 貞哉)

「雲と共に」

村越 敬太

多摩美術大学大学院 美術研究科 博士前期課程 工芸専攻

審査員コメント
マンションの住まいとしての構造と、陶土を積み上げる紐作りによる技法が重なる点が興味深い。見るものの意識をものの内側へと向けてくれる作品である。陶という可変性のある素材は、作者が見る世界を具現化する手段としてピタリと合っているのだろう。境界から逸脱していくような心地良さを感じさせる。プランについては、雲というふわふわとした存在を支える下部の形態が、単なる台座としての役目に終止してしまっている点が改善されると良い。置くことへの意識を作品の周囲へも拡げるなど、積み上げてきた可能性を飛躍させるための思い切りのある展開にも期待したい。(大竹 利絵子)

「さいわい」

金田 麻梨香

秋田公立美術大学大学院 複合芸術研究科

審査員コメント
金属を精錬する際にでる不純物(スラグ)に着目し、その素材で遺構となった秋田の尾去沢鉱山の等高線を表現するなど、近代化の発展の過程で忘れ去られた、取り残された存在に光を当てる着眼点は素晴らしいと思います。ただし、マンションのエントランスという設置場所を考えたときに、視座や価値の反転というようなひと工夫が必要だったかもしれません。(岩渕 貞哉)