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「AAC2023」は、10月10日に最終審査が行われ、最終優秀賞1点、優秀賞2点が決まりました。
多摩美術大学4年 美術学部 工芸学科 ガラス専攻
素材 : ガラス・チタン・樹脂
今回のエントランスホールの入口は非常に大きく、長いアプローチを進んでいくときのワクワク感が空間の中にあるのですが、そのアプローチを進んだ突き当りの白い壁に現れる洪さんのガラスの作品は非常に美しく映えて見えました。グレーの石材タイルを基調とした内装のデザインとも、うまくマッチしていたと思います。
京都市立芸術大学大学院 美術研究科 彫刻専攻
素材:石(トラバーチン)
このコンペは、マンションの設計士がエントランスホールに設けた一カ所の空白に対して、審査員、学生が、その空白はどうあるべきかという応答をすることに面白さがあり、また、それが結構重要なポイントなのかなと思っています。
杉森さんのトラバーチンの作品は、重量感があって、見る角度で、いろんな表情が出てきます。エントランスホールは通常、日常的な動線が、ほぼ固定化していますが、この作品が設置されることによって、後ろから、横から等、違う角度で見てみようということが、動線の変化をもたらすのではないかと思いました。このようなエントランスロビーの重心を変える機能もありながら、四面で楽しめるところがすごくいいなと思いました。
ただ一つだけ言うと、台座に対する構想が少し不明瞭だったのかなと思いました。作品ばかりが重要ではなく、やはり空間の中でどう置かれるべきかというところも重要なので、台座については今後の検討にして欲しいと思います。(西澤徹夫)
東京大学大学院 新領域創成科学研究科 人間環境学専攻
素材 :再生銅・牛革
洪さんと杉森さんの作品は、ガラスを熱したり、大理石を彫り上げたりと、立体としてはクラッシックな制作方法による作品でしたが、東大生の五十嵐さんの作品は、コンピューターで形状を描いた後、3Dプリンターを使って鋳造型を作り、銅を流し込んで、彫刻に仕上げたものでした。私は五十嵐さんの作品を見て、いろんな制作方法が出てきていることに、非常に新鮮な印象を受けました。
今後も、3Dプリンター等の使用により、彫刻の制作方法は広がっていくことでしょう。そして、制作方法の多様化により、このコンペの応募者も、彫刻だけでなく、工芸、建築など様々な専攻の学生が応募してくることと思います。このコンペを通じて、彫刻や立体の世界がますます広がっていくことを期待しています。(小山登美夫)