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AAC2023一次審査結果

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7月4日に一次審査が行われ、最終審査に進む3点と、入選作品5点が決定いたしました。

  

応募総数:114点 
入賞:        3点一次審査通過
入選:        5点

最終審査は10月10日(火)に予定しております。

入賞

3点応募順

「星群」

洪 詩楽

多摩美術大学4年 美術学部 工芸学科 ガラス専攻

素材:ガラス

入賞者コメント
この度は名誉ある賞に選んでいただき、ありがとうございます。
全力で納得のいく作品を作りたいと思います。
 

「日々泡」

杉森 杏香

京都市立芸術大学大学院 美術研究科 彫刻専攻

素材:石

入賞者コメント
この度は入賞に選んでいただき、誠にありがとうございます。
このような貴重な機会をいただき、大変うれしく思います。良い制作になるよう頑張ります。 

「kasane」

五十嵐 俊治

東京大学大学院 新領域創成科学研究科 人間環境学専攻

素材:アルミ、合板、金、牛革
入賞者コメント
この度は名誉ある賞に選出いただきまして、誠にありがとうございます。
戴いた制作の機会を活かし、唯々良い作品を送り出せるよう邁進して参ります。
 

入選

5点応募順

「The black ground」

袁 方洲

東京藝術大学大学院 美術研究科 工芸専攻

審査員コメント
ガラスのもつ、いつもとは異なる表情の側面を捉えていて不思議で魅力的な作品です。割れているということを、表現の中心に据えていてその部分がパブリックな空間と合うのかがちょっと疑問ではあります。黒という色ですが、前回の桜色のようにさまざまな色を使った壁のようなものができらた楽しいかなとも思いました。ガラスでしかできない特異な表現をこれからも楽しみにしています。(小山登美夫)

「日ごと」

高橋 呼春

石川県立輪島漆芸技術研究所 普通科 髹漆専攻 1年

審査員コメント

正面からの単純な矩形が硬めの印象を持つエントランスに幾何学的に呼応しつつ、エントランスホールを行き来するひとの視界に現れる歪んだ像が常に動く様は、とても楽しいものになることが想像できます。空間に対しての座りの良さだけでなく、ここがホールであることを考えれば、距離感の違い、傍目の見る動きなどが考慮されていることはとても重要な回答の仕方だと思います。一方で、全体の凹凸ないし不陸にバリエーションや驚き、造形的な挑戦があっても良かったのではないかと思いました。立体なのか、色なのか、像なのか、圧なのか、心象なのか、そういったことが混交するようなものであるとさらに良かったと思います。(西澤徹夫)

「水余水」

小林 楓太

京都市立芸術大学大学院 美術研究科デザイン専攻
プロダクト・デザイン

審査員コメント
好奇心をそそるプランである。日本画の余白の表現に触発されて、雨が降る山の風景を独自の技法で作ろうというのである。大きな布だろうか、その横糸を抜いて、興味深い形状にしつつ、樹脂や泥染など様々な技法を使用する。非常に高度なテクニックを感じるのだが、過去作を見ると同様の作風がない。審査のときに躊躇したのが、実現力だ。そこらあたりを見せてくれたら、さらに安心した。実現性がグッと上がったと思う。(秋元雄史)

「Landscape Ⅲ・関係」

林 和雄

金沢美術工芸大学大学院 美術工芸研究科 彫刻専攻

審査員コメント
石の仕事は近年少なくなっているので、とても興味をもった。大理石と御影石という石彫ではお馴染みの素材だが、それを薄く削ぐことで、石の軽さのような表現が立ち現れてきて、非常に軽快感のある作品の提案である。過去作ですでに石の扱いを見せてくれているので、仕上がり感も想像できたし、技術力もある。と同時に提案の作品が少しモサっとした形に思えて、造形の工夫をもう少ししてみるといいように思う。いいところまで来ているので、少し形態の探求をお願いしたい。(秋元雄史)

「このま」

TAN JINNING

富山ガラス造形研究所 造形科 1年

審査員コメント
とても繊細で軽やかな浮遊感が、帰ってきた住人の気持ちを心地よくさせるであろうことが想像できます。また、実体の線と影による線が重なり合い、見る角度によっても毎回見え方が変わってきそうです。そうした立体の完成度がある一方で、このエントランスホール全体のなかでの見え方の強度や線形の変化量、ホールを支配するような広がり(の可能性が十分にあるにも関わらず)にやや欠けるのではないかと思いました。また、前面にガラスを置くとどうしても作品との間に距離が出来てしまい、先述した心地よさにとってノイズになってしまうことが懸念されました。作品それ自体だけではなく、空間もまた作品の一部となることが重要だと思います。(西澤徹夫)

一次審査会 全体講評

今回の1次審査で感じたのは、もう少し楽しい作品がみたかったな、ということです。いままで学生の時に培ったアイデア、技術を思う存分試す場所としてこの場所を活用して欲しいです。そして、大事なのはその構想を、かならず的確に実現できるということ。発想に追いつき追い越して自分のものとして、多くの人の前に実現できるものを的確な技術で完成できるというリアリティが重要です。今までの自分を楽しんで、意欲的なプランがもっとでてくることを期待します。(小山登美夫)