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AAC2023 表彰式・懇親会

懇談会の様子

最終審査同日に、表彰式・懇親会が行われました。

表彰式の様子

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コンテンツ

 

審査員コメント

秋元 雄史

東京藝術大学名誉教授、美術評論家

入賞した3作品をひとつひとつ拝見すると、なかなか甲乙つけがたいものがありまして、大変魅力的なものでした。書類審査のときのスケッチで想像していた仕上がりよりも、さらに現物作品は高いレベルだったと思います。

その中で最優秀賞を洪さんに決定したのは、今回のマンションのエントランスホールの空間との調和です。

今回のエントランスホールの入口は非常に大きく、長いアプローチを進んでいくときのワクワク感が空間の中にあるのですが、そのアプローチを進んだ突き当りの白い壁に現れる洪さんのガラスの作品は非常に美しく映えて見えました。グレーの石材タイルを基調とした内装のデザインとも、うまくマッチしていたと思います。

今後、このコンペに応募する学生の方々には、作品のクオリティ、テーマももちろん大切ですが、作品が置かれる空間や環境をどう呼び込んでいくか、アート作品を通して生活に対してどのような提案をしていくかというようなことを考えて欲しいと思います。

 

西澤 徹夫

建築家

 

このコンペは、マンションの設計士がエントランスホールに設けた一カ所の空白に対して、審査員、学生が、その空白はどうあるべきかという応答をすることに面白さがあり、また、それが結構重要なポイントなのかなと思っています。

杉森さんのトラバーチンの作品は、重量感があって、見る角度で、いろんな表情が出てきます。エントランスホールは通常、日常的な動線が、ほぼ固定化していますが、この作品が設置されることによって、後ろから、横から等、違う角度で見てみようということが、動線の変化をもたらすのではないかと思いました。このようなエントランスロビーの重心を変える機能もありながら、四面で楽しめるところがすごくいいなと思いました。

ただ一つだけ言うと、台座に対する構想が少し不明瞭だったのかなと思いました。作品ばかりが重要ではなく、やはり空間の中でどう置かれるべきかというところも重要なので、台座については今後の検討にして欲しいと思います。

 

 

小山 登美夫

小山登美夫ギャラリー株式会社 代表取締役社長

 

 


洪さんと杉森さんの作品は、ガラスを熱したり、大理石を彫り上げたりと、立体としてはクラッシックな制作方法による作品でしたが、東大生の五十嵐さんの作品は、コンピューターで形状を描いた後、3Dプリンターを使って鋳造型を作り、銅を流し込んで、彫刻に仕上げたものでした。私は五十嵐さんの作品を見て、いろんな制作方法が出てきていることに、非常に新鮮な印象を受けました。

今後も、3Dプリンター等の使用により、彫刻の制作方法は広がっていくことでしょう。そして、制作方法の多様化により、このコンペの応募者も、彫刻だけでなく、工芸、建築など様々な専攻の学生が応募してくることと思います。

このコンペを通じて、彫刻や立体の世界がますます広がっていくことを期待しています。