概要
【募集内容】
第23回学生限定立体アートコンペ
「ART MEETS ARCHITECTURE COMPETITION(AAC)2023」の募集告知ポスター
【賞】
最優秀賞(1点)20万円
入選(8点)3万円
【審査員】
上西 祐理(アートディレクター、グラフィックデザイナー)
宮本 武典(キュレーター、東京藝術大学准教授)
服部 信治(主催会社 代表取締役社長)
【スケジュール】
募集期間:2022年12月15日~2023年2月12日
審査会:2023年3月3日
【応募総数】
284作品
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【応募者集計結果】
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最優秀賞
最優秀賞
「試行錯誤」
松井 寛太
多摩美術大学 美術学部
グラフィックデザイン学科 2年
審査員のコメント・総評
ポスターのブラッシュアップ
入選 ※応募順
「作り手」
梅原 香織
町田デザイン&建築専門学校
イラストレーション科 1年
【審査員コメント】
初見では「これぞ平面構成」という凡庸な印象を受けたのですが… 眺めているとだんたん重なった手と、その下に落ちた影のレイヤーが、平面であるはずの紙に浅い空間を生み出していきます。「壁に貼られた大きな紙」だからこそ視覚コミュニケーションというか、デザインを学ぶ人なら誰しも通る青春時代という感じ。ネットの時代にこういう「あえて素朴、原点回帰」な表現を戦略的に使いこなせると強いんですが。梅原さんはどれくらい意図的だったのかな?(宮本)
「予感と嘘」
一條 遥貴
武蔵野美術大学 造形学部 建築学科 4年
【審査員コメント】
建築の学生さんらしいビジュアルですね。AACはマンションの共有部に設置する彫刻のコンペなので、受賞作にはその空間(が帯びている価値観や生活水準)にふさわしい完成度や洗練性が求められるのですが、この方は学生さんなのに、そのクライアント側のトーンに見事に合わせてきたなと思いました。ただ、タイトルにある「嘘」と球体の関係性が気になります。こうした整いすぎたデザインにアートの諧謔を紛れ込ませたということなんでしょうか? 授賞式で意図を教えてほしいです。
(宮本)
「遠近法による作図」
野口 陽向
東京工芸大学 芸術学部 デザイン学科 グラフィックデザイン 4年
【審査員コメント】
大きく画面を貫く黒い線状のAACの文字の色面が、画面の中に遠近感作り、空間を生み出している。シンプルに削ぎ落とした要素と大胆さが魅力であり、遠目にも目を引く潔よいポスター。
ミニマルである分、より厳密に練られたコンポジションや、
オリジナルな視点や要素が入ると、さらにぐっと良くなると思います。(上西)
「自然の芸術」
賀来 竜之輔
倉敷市立短期大学専攻科 服飾美術専攻
デザインアートコース1年
【審査員コメント】
手をモチーフにしたポスターはたくさんありましが、
画面いっぱいに広がるザクザクと切られたような手のシルエットの自由さが印象的なビジュアル。
ピンクのベタ面と、切り取られた土や球体の写真が、どちらが手前でどちらが奥なのか、不思議な空間性を持たせており、じっとみていたくなります。抽象性の高い、手のひらに浮かぶ白い球体も効いています。(上西)
「原石【若き表現者たちのもがきと答え】」
藤田 彩花
愛知県立芸術大学 美術学部
デザイン・工芸学科 デザイン専攻 3年
【審査員コメント】
巨石のような塊がデジタルの砂嵐のような表層でできており、
プリミティブとテクノロジーのかけあわせに面白さを感じます。
立体の面に対しテクスチャがもっと沿ってみえれば、立体感が出ることで画面内に奥行きが生まれ、面白さがさらに出たかもしれません。
表層のテクスチャである2D表現と、立体である3D表現について、より考えて掘ってみると面白そうです。(上西)
「立体って、いったい?」
安井 蒼
デジタルハリウッド大学 デジタルコミュニケーション学部
デジタルコンテンツ学科 デザイン専攻 3年
【審査員コメント】
デジタルの表現を学んでいる学生さんということで、作者本人の「なんで立体?」という問いが素直に出てますね。確かにこれだけ娯楽のデジタル化が進み、VRやNFTの出現などアートの領域も急激にウェブへと拡張しているので、デジタルネイティブの若い世代にとって「いまどうしてアナログな立体(彫刻/工芸)なの?」ですよね。そんなZ世代からのリアクションが、この種のアート系コンペでは異質なポスターになったと思います。韻を踏んでいるのも良い。アートの文脈をおさえた上でこの脱臼感を出せるとプロの仕事になるんですけど。(宮本)
「個性」
柏谷 明梨
愛知県立瀬戸工科高等学校 工芸デザイン科 3年
【審査員コメント】
高校生なんですね!ポスターは公共空間に貼られるメディア。美大の掲示板に、この「コンペに参加しよう!」というピクトグラム(=当人が意識したかは不明ですが)的なビジュアルは作用しそうですね。タイトルは「個性」なのに、3人の人物は記号的。対して彼らが抱えている作品は三者三様で、「見た目は同じ若者」でもアートは内に秘めた「個性」を表出させる、という意味なのかな。個性といえば、このポスターは表現もカラーリングもなんとなく「無印良品」っぽいですね。MUJIみたいにもっと日常の中に上手にまざっていくアートのアプローチがあっていい。MUJIで椅子を買う気軽さで、好きな彫刻を買って帰る、そしたら暮らしが少し面白く変わっていく、みたいな。才能もモノも組み合わせときに「個性」は生まれてくるのかも。
(宮本)
「可能性は無限大」
柴崎 里花
広尾学園高等学校 インターナショナルコース 3年
【審査員コメント】
複数の人が複雑に絡み合ったようなビジュアルは、それ自体が彫刻作品のようでもあり、見る人の足を止め、これはなんだろう?と思わせる魅力があります。
人のようなシルエットは手足が目立っており力強く、グラデーションの綺麗な円もエネルギーに溢れていますが、それらを引き立てているライトグレーの部分に大人っぽい狙いを感じます。(上西)