入賞
3点応募順
「現の秤(あらわのはかり)」
佐野 圭亮
東京藝術大学 大学院 美術研究科 漆芸専攻
素材:漆
入賞者コメント
この度、入賞者に選出していただけましたことを大変喜ばしく思います。
私を慕い支えてくださっている方々に感謝するとともに、またその期待に添えますよう
全力で取り組ませていただきたいと思います。
「Be water my friend」
雷 康寧
東京藝術大学 大学院 美術研究科 彫刻専攻
素材:陶器
入賞者コメント
この度は入賞作品に選んでいただき、誠にありがとうございます。
学生生活の最後の1年間にこんな素晴らしい経験をくださって、とても嬉しいです。
これから作品制作に励んでいきます。
「精神の美」
堀田 光彦
東京藝術大学 大学院 美術研究科 工芸専攻
素材:ブロンズ
入賞者コメント
この度は、賞を頂き誠にありがとうございます。2度目の入賞という事で、最優秀賞を目指していきたいですが、
何よりも与えられた空間に対して調和のとれた作品となるよう制作を進めていきたいと思っています。
入選
7点応募順
「昇(のぼる)」
小倉 慎太郎
東京藝術大学 大学院 美術研究科 彫刻専攻
審査員コメント
彫刻というものは本来「重力」というものの束縛を受けながら成立してきた歴史上の事実がある。
特に石はその常識と格闘してきた素材であろう。小倉のこの作品はその常識を転倒させ、既存の価値基準を自由に解放させる魅力がある。
石を薄くスライスし軽やかに浮遊させるアイデアは大きな展開を予感させる。あと一歩表現の独自性が付加できれば尚良いだろう。 (ヤノベケンジ)
「たむけのこころに」
峰松 沙矢
大阪府立港南造形高等学校 総合造形科 油画専攻
審査員コメント
AACが始まって以来、初の高校生の入選となりました。応募書類からも絵画の制作に真摯に向き合い、取り組まれている様子が伺われ、審査員一同、その熱意と努力、今後への期待を込めて選ばせていただきました。
木製パネルを吊るし、鑑賞者が作品を見るように、作品が鑑賞者を見ることによって完成する作品という視点など創意工夫を感じます。が、今回の設置場所となるマンションのエントランスに、どのように作品を展示して、この作品を見てもらいたいか、作品の置かれる場所や空間、環境への意識も深め、独自の世界をつくっていってください。(内田 真由美)
「カランコロン」
グループ名 da.Vinci(Team:Kalanchoe)
代表者:松尾 賢弥
日本大学 生産工学部 創生デザイン学科 3年
井戸賀紀香 上園彩乃
梶原美帆 桑原更英
平戸さくら 村松菜々
日本大学 生産工学部 創生デザイン学科 1年
審査員コメント
7名のグループにより作品のコンセプトから制作までをプランニングしたユニークな作品です。カランコエという花の花言葉を頼りに、マンションが住む人を守る存在であり、そこに住む人々から生まれる、たくさんの小さな思い出の集合場所であるとして考えたモニュメントで、発想がおもしろく、光の演出などによって、エントランスの空間がどのようになるだろうかと想像が膨らみました。それだけに、ミラーや光の効果による作品の見え方など完成後の具体的なイメージを提示すると説得力をもったと思います。今後の作品に期待しています。(内田 真由美)
「流れゆく日々の中で」
山田 千晶
富山大学 芸術文化学部 彫刻専攻 4年
審査員コメント
工芸的なものは、公共空間に置かれるとちょっと古臭い置物のようになってしまいがちですが、フラミンゴの軽やかな脚とひねった上体のポーズで動きを出し、赤みがかった暖かい色彩で明るさを出しています。マンションの入り口から入る人の心理も考え、動物のもつ愛らしさや癒しの力を考えて選んだモティーフだと思います。さまざまな角度から鑑賞できるひねりの入ったポーズなので、小さい子どもが成長するにつれ、見る角度が変わってくるのも、彫刻との大切な出会いの経験となるでしょう。(馬渕明子)
「キラメク花」
髙畑 雅一
大阪市立大学 大学院 生活科学部研究科 居住学科
審査員コメント
作品の素材や造形、制作方法など、作品プランが具体的であり、マンションのエントランスに設置された様子がイメージできる作品です。幅広い過去の作品からも、
さまざまな制作とアプローチをされていることがわかり、作品がエントランスに設置されると、モノトーンの空間に華やかに映えるだろうと想像され、実際に見てみたいと思える作品でした。「キラメク花」の発想とアイデアについての説明、また、正面以外の方向からの作品のイメージもあると、より強く作品を押し出すことができたと思います。これからも自分の表現の新たな可能性を追求してください。(内田 真由美)
「Flux」
Aykurt Mustafa アイクルトムスタファ
東京藝術大学 大学院 美術研究科 金属専攻
審査員コメント
ステンレスという素材は外界の光をとらえ、また見る視点によってそこに映るものを歪曲して見せるという意味で、とても動きを感じさせる材質です。遠方から近づくと映るものの形で変化が生じて、引き込まれるような体験をさせてくれます。曲線で作られたこの形は、手前の線が対角軸に伸びてねじれ、完結しているので、滑らかさが生まれて美しく、高い技術に裏付けられていると思われます。ただ、完成度に比して、若者らしい意外性や躍動感に乏しく、観念的にまとまってしまっている印象を与えるところが少し残念です。(馬渕明子)
「まわる」
グループ名 あたり
代表者 三隅 幸
筑波大学 大学院 人間総合科学研究科 デザイン学領域群総合造形領域
審査員コメント
一見シンプルな抽象彫刻を思わせる作品だがプロセスが興味深い。ジャグリングパフォーマーを介して造形にハプニング性を取り入れ、「金継ぎ」という工芸的要素で丹念に構築するアンバランスさが今日的だ。陶という不可逆的な素材を行為の介入でより緊張感のある造形に昇華させている。複数のプランを提示してきたグループワークの可能性も感じた。(ヤノベケンジ)