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AAC2019 最終審査結果発表

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「AAC2019」は、10月24日に最終審査が行われ、最終優秀賞1点、優秀賞2点が決まりました。

最優秀賞

最優秀賞

「the city」
白谷 琢磨(しらたに たくま)

東京藝術大学 大学院 美術研究科
彫刻専攻

材料:漆、麻布、砥の粉

受賞者のコメント
 このような光栄な賞を頂けましたこと大変嬉しいです。自分にとっても新たな挑戦となり、貴重な経験をさせて頂きました。
これからの制作の励みとしていきたいと思います。
審査委員講評
 全員一致で白谷琢磨さんの「the city」に最優秀賞が決定しました。しかしいずれの作品も最優秀賞にしてもかまわないくらい非常にレベルの高い3点の作品に大変嬉しく思いました。
エントランス等に置く彫刻というと割と新しい技法のものが多いのですが、「the city」では昔ながらの乾漆の技術を使っています。白谷さんは彫刻の専門で、漆の専門ではない中、どうやって技術を学んだのか聞いたところ漆芸の先生の書いていた本を読みながら自分でやって覚えたという事でした。
乾漆という 現代美術の中で且つマンションの中に置くものとしては意外で異質なものなんですが、
作品のテーマも良かったですし、材質の感じ、非常に力強い存在感、現代都市のシルエットを水面に上下反転して浮かんでいるイメージ、どれをとっても大変優れたものでした。(藤森 照信)
 白谷さんの作品はあまりに専門性が近くて、私が推しすぎてはいけないと思いながら審査していたのですが、例えば現代美術で言えばスゥ・ドーホーの作品に、お寺のかたちを布で形成した立体が、あたかも水面を挟んで上下に展開する、そういった作品があります。本作についても、そのようなイメージを連想しながら、審査しました。彼はあくまで彫刻科の学生として技術を磨いてこられ、工芸の技術を工芸の学生として学んだわけではないとお話されていました。独学で制作されたわけですが、今回の作品に使われた、たとえば螺鈿の切片を、もっと使いこなし、自由に表現することができていたら、さらに違うイメージを作り出せたのではないかと思いました。
 例えば螺鈿を「螺鈿」としてみるのではなくて「抽象的な光の表現」として見るのであれば都市における光、例えば都市の内部を光ファイバーを介して駆け抜ける「情報」でもあり、螺鈿と乾漆という、非常に古くからの歴史ある素材を使って、現代的な状況を表現することも可能になるでしょう。もう少し技術を深めていくことで、表現も豊かになるのではないかなと考えながら見ていました。
(橋本 麻里)

最終設置

最終設置





優秀賞

優秀賞

優秀賞

「Neighbor」
番原 耕一郎(ばんばら こういちろう)

広島市立大学大学院 芸術学研究科 総合造形芸術専攻

材料:石(色のついたもの)

受賞者のコメント
この度は優秀賞を頂き誠に光栄です。AACでの製作体験は私の作家としての在り方、意識の大きな指針となりました。私は今回なじみのある石という素材で壁面に設置を行いました。設置方法も、石を加工する工程も初めて行うものでした。当然その中で分からないこと、手に余ることはいくつも出てきましたが、AACスタッフの皆さんをはじめとして周囲の方々に支えられ、良い作品を発表することができました。結果、作家として一回り成長することができたように思えます。この場をお借りして関係者の皆様に感謝申し上げます。
審査委員講評

 現場でのプレゼンテーションの時に本当にこのタイトルで良いのかという作家のほうからの疑問が提示され、なるほどと思いました。この世界の向こう側 どこかこの世ならざる別の世界への
「入口としての扉」をモチーフにされている作品ですがもしかすると「Neighbor(隣人)」ではなく、ここではないどこか 新しい世界、というものをタイトルにしてもよかったのかもしれません。

 それからエントランスの広い横長の空間を床の間に見立てたという話でしたが
例えば室町時代には、会所と呼ばれる広い饗応の空間に設けられた、大型の床の間に、例えば山水画を複数掛けたりしたわけですがそういった歴史的なイメージをモチーフにしてみてもよかったのかもしれません。山水画といえば「胸中の山水」、この世ならざる理想郷をモチーフとして古くから中国で描かれてきた絵で、日本人にも愛されてきました。そういったものと今回の課題となった場所、場に置かれるものを、対照させるようなやり方もあったのかなと思いました。

とはいえ、この作品は実は最初の書類選考の段階でとても興味深いのだけど、実際に設置されたらどうのか? よくわからないので見てみたい、という、審査員たちからの希望が強かった作品でもあります。最優秀賞は逃しましたが、とても面白い表現を見せて頂いたと思っています。(橋本 麻里) 

優秀賞

優秀賞

「半分の阿吽」
五十嵐 亮太(いがらし りょうた)

東京藝術大学 大学院 美術研究科 デザイン専攻

材料:MDF、ミラー

受賞者のコメント
この度は、栄誉ある賞を頂きまして、誠にありがとうございます。実制作に臨むにあたって、とても大きい作品なので、イメージ通りに作れるのかがとても不安でしたが、周りの方々の協力のもと無事に完成させることが出来ました。残念ながら最優秀賞には及びませんでしたが、今回得た経験を生かし、これからのあらゆる制作の糧にしていきたいと思います。
審査委員講評

 日本のデザイン・アートの世界において、平面的なものの方が表現として多く見られる、そこに立体というものを持ち込む可能性があるのではないか、ということで今回の作品を提案していただきました。実際に日本の伝統として、例えば江戸時代における琳派の絵師たちのように屏風もつくれば、陶磁器や漆器もつくる、同じ一人の作家であっても、平面と立体を自在に往復しながら表現していたという歴史もありますので、今回の提案のテーマである「日本的」ということと、非常に近い、良いコンセプトであったと思います。
 そして作品自身の完成度も非常に高く、藤森さんが仰ったとおり、どの作品が最優秀賞になってもおかしくなかったという意味で、これも本当に惜しい作品でした。 (橋本 麻里)

最終審査当日の様子

最終審査当日の様子

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