AAC2026

AAC2026 一次審査結果

AAC2026
一次審査結果

7月7日に一次審査が行われ、最終審査に進む3点と、
入選作品7点が決定いたしました。

応募総数:107点

入賞:  3点 ※一次審査通過

入選:  7点

最終審査は10月15日(木)に予定しております。

入賞AAC2026 Nominees

3点 ※応募順
  • 「帰雲」

    XIANG DAO(しゃん だお)

    多摩美術大学大学院
    美術研究科 彫刻専攻

    素材:大理石

    受賞者コメント

    この度は入賞という貴重な機会をいただき、心より感謝申し上げます。 最終審査に向けて、「帰雲」をより良い作品にできるよう、精一杯制作してまいります。

  • 「ほとり」

    北須賀 源己(きたすか げんき)

    多摩美術大学大学院
    美術研究科 工芸専攻

    素材:陶、発泡スチロール

    受賞者コメント

    この度は、このような素晴らしい機会をいただき、誠にありがとうございます。作品をより良いものへと発展させられるよう、最後まで試行錯誤を重ねながら、全力で制作に取り組みます。

  • 「結」

    大川 琴音(おおかわ ことね)

    富山ガラス造形研究所
    研究科 1年

    素材:ガラス、接着剤

    受賞者コメント

    この度は名誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。最後まで心を込めて、一生懸命制作させていただきます。

入選AAC2026 Successful Competitor

7点 ※応募順
  • 「生命の流れ―白鹿」

    林彦光(りん えんこう)

    広島市立大学大学院
    芸術学研究科 造形芸術専攻

    素材:漆、麻布、卵殻、螺 、乾漆粉

    審査員コメント

    ここで用いられる<乾漆>という漆芸の伝統技法と、エントリーシートに描かれた白鹿のポップなイメージとのギャップがユニークで、実作を見てみたいと思わせた。加飾の段階で使い分けられる卵殻や螺鈿、乾漆粉など、それぞれの技法による質感の違いや色漆の重なりは、マンションのエントランスロビーという特別な設置空間に流れる時間や光のうつろいに、繊細に呼応してゆくことだろう。『白鹿』という中国の神仙思想に由来する長生の象徴であるモチーフも縁起が良く、日々住人を勇気づけ楽しませてくれるに違いない。

    (青野和子)

  • 「涌泉」 

    謝 婧雯(しゃ ちんうぇん)

    東京藝術大学 美術研究科
    陶芸専攻 博士課程 1年

    素材:陶磁器

    審査員コメント

    設置されるマンションの所在地である「高井戸」という地名から着想を得た作品で、黒土と白釉によるモノトーンの色彩構成はエントランスロビーのシャープな空間とマッチすることだろう。同時に、蹴ろくろの回転や、襞のように全体を覆う特製かんなによって刻まれたアーティスト自身の手の動きの痕跡が、生命の躍動感や温かみをもたらしている。陶芸は炎との共作であるが、『涌泉』というタイトルが表すように、大地の地下深く静かに流れている水脈の存在や、それが噴き出す際に立ち昇る大きなエネルギーをも想起させる、強靭さと優美さを兼ね備えた作品である。

    (青野和子)

  • 「transmute」

    レイモンド愛華(れいもんど あいか)

    多摩美術大学大学院
    美術研究科 工芸専攻

    素材:ガラス

    審査員コメント

    高井戸の土地に刻まれた水の記憶を、ガラスという素材を通して可視化しようとする試みが印象的である。水は器によって姿を変え、決して留めることのできない存在であるが、その儚さを、高温で軟化したガラスに身体を直接介入させながら造形することで表現している点が興味深い。吹きガラスや鋳造ではなく、飴のように柔らかくなったガラスを自らの手で扱うことで、重力や時間、身体の痕跡までも作品に取り込み、水の存在を独自の造形へと昇華している。この技法は作者が継続して探究してきた表現でもあり、今後さらに深化させることで、重力や素材が生み出す多彩な表情を獲得し、より豊かな作品世界へと発展していくことを期待したい。

    (大巻伸嗣)

  • 「重奏」

    楠 優華里(くすのき ゆかり)

    筑波大学 芸術専門学群
    工芸領域 3年

    素材:ガラス、UV接着剤

    審査員コメント

    この作品は、厚さ10mmの板ガラス19枚を積層する技法により制作、各ガラス板に釉薬と焼成により色彩を定着させ、内部に表現するデザインを17層のレイヤーに分解、各レイヤーを異なるガラス面に配置し、ガラス内に立体的な像をつくりだすというプランだ。ガラスという素材を生かした効果と視覚的なおもしろさも見出せる。透過性のあるガラス、構築するガラスの積層、組み立てた立体像が、見る角度や光により多彩な表情と景色を見せてくれる。マンションに住む人々の日々の暮らし、毎日の生活の中に、楽しみを生んでくれる作品である。

    (内田真由美)

  • 「Repetition as Genesisー蓄層する金脈ー」

    宮城 葵色(みやぎ きいろ)

    金沢美術工芸大学大学院
    美術工芸研究科 漆・木工専攻

    素材:漆、麻、砥の粉

    審査員コメント

    漆は縄文時代から人と自然を結びつけてきた、日本を代表する素材である。本作は、その歴史性を単なる伝統技法として引用するのではなく、麻繊維を幾重にも重ねた乾漆によって、大地から水脈が立ち上がるような生命の運動へと昇華している。滑らかな表面を追求する従来の漆表現とは異なり、繊維の毛羽立ちを積極的に生かした造形は、樹液である漆が本来宿す生命力を可視化している。素材の起源と土地の記憶を結びつけ、新たな造形言語を切り拓こうとする意欲的な作品であり、今後の展開にも期待したい。

    (大巻伸嗣)

  • 「星脈」

    檜木 小春(ひのき こはる)

    多摩美術大学大学院
    美術研究科 工芸専攻

    素材:陶

    審査員コメント

    陶を用いて円柱を制作、焼成後に表層の釉薬をガスバーナーで炙ることで虹色の金属光沢を流れるように施し、その軌跡により天の川や星屑を思わせる表情を生み出し、経年変化により色彩や質感が深まり、時間の経過も内包するという作品だ。マンションのエントランスで存在感を放ち、時の移ろいも作品に取り込む。時間を内包する陶という素材の特質、マンションに暮らす人々とともに時を重ね、作品の設置後も時を刻みながら変容していくというコンセプト、「星脈」と名付けたタイトルも含めて、とても魅力がある作品の構想で、完成の姿を見たいと思った作品である。

    (内田真由美)

  • 滾々と(こんこんと)

    山田 聖和(やまだ ひより)

    金沢美術工芸大学大学院
    美術工芸研究科 工芸専攻

    素材:銅

    審査員コメント

    「高井戸」の地名にちなみ、滾々と湧き出る水をイメージした作品である。薄く小さな銅板で作られた無数の半球が、泉から零れ落ちる水滴を表現しているようだ。それは半球であるがゆえに外側と内側を持ち、それぞれ銀メッキと緑青で異なる表情を演出している。季節や天候や時間帯によってうつろう光の反射が、年月を経てどのように変化してゆくのか、住民とともに見守りたくなるエレガントな作品である。マンションロビーという設置空間を考えると、より大きなスケールでのダイナミックな展開が期待される感もある一方で、人が両手で抱き抱えられるサイズの<泉>だからこそ、とも思える魅力を放っている。

    (青野和子)